人生で、最初で最後の初恋のようなものをした話

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書き留めておきたいこと

はじめに

27歳になる。我ながら色んな経験をしてきたと思ってるし、色んな気持ちも知ってると思ってるし、だからこそ今の生き方は正しいと思い込んでいた。でもそれを根本から見直させてくれた人と出会えるとは考えもしなかった。

その人が気になって1ヶ月くらいの、長い人生で見ればほんの一瞬だったと思うけど短い間に色々自分の中で気持ちが揺れ動き続けたし、その間に色々と気持ちの整理がついたような気がしてた。けどその気持ちの整理も完全に付けさせてくれたのは結局その人だった。

その人がしてくれたのはきっかけを作ってくれたことと、一言ふた言くれただけといえばそれだけだったけど、自分にとっては感謝してもしきれないくらいのありがとうがある。自分にとっては人生で最も激動だった2024年2月の、1ヶ月のことをどこかに書き留めて置きたくなったので、今の気持ちをここに書き留めておきたい。つまり未来の自分に向けた27歳のメッセージです。

昔の話

何から話そうか。私は元々人と遊ぶのが大好きで、色んなことをみんなと共有したり、楽しむのが好きだった、ということだろうか。小中学生時代はずっとそうだった。ずっと友達と遊んでいた記憶しかないし、部活も学校もひたすら楽しくて楽しくて仕方がなかった。性格は正直者タイプ。思ったことは何でも言うタイプ。長所は褒めるし短所も改善して欲しいから言うという感じ。善悪の基準はあるが、法令順守の価値観はない。人が傷ついていなければルール違反はそれほど意識しない。その代わり人の悪意が本当に苦手で、誰かを悲しませることは絶対にしたくない性格だった。幸い自分の周りでいじめは見たことがないので非常に助かった。ただし、悪気がない分たちが悪いということは当時の自分には到底理解出来る余地もない。

色恋沙汰に関しては人前に出すのが苦手で、中学時代付き合っていた彼女のことは一切友達には話さなかったし何なら自分は他に好きな人がいる設定にして過ごしていた。正直彼女のことは相手からのアプローチがあったからだったし、私はそんな彼女のことが気になるから付き合っていたので好きの感情は特別なかった。知りたい・一緒に楽しみたいという感情があってもどうしても好きに繋がらず、なんとなく人前から隠していたのかもしれない。でも今思えばこの秘密にする感覚は、単に秘密にしたいというわけではなく自分がもし振られたときに自分の立場が守られるというゴミみたいなプライドのせいだったと思う。

高校時代、周りは遊び遊びの人生からコミュニケーションへとステージが移っている。『何をする』より『誰とする、コミュニケーションを取る』ということだ。私もコミュニケーションが嫌いじゃなかったけど、趣味や好きなことへの活動が周りと関わり方だった。私はどこか疎外感というか、乗り遅れた感というか、認めたくない感を感じていた。私はこの時点ですでに人と関わるのが億劫になっていたと思うし、自分で自分を見失いかけてたんだと思う。別に周りには本来の自分と同じような遊び遊びの延長線上でみんなとコミュニケーションを取るクラスメートたちはたくさんいたし、自分だって本当はそうした方が後々こんなことにはならなかったと思う。でも、出来なかった。確かに疎外感はあったし疎外感を認めるプライドがなかったから。そして過去に、自分が起こしてきた行動で傷ついていた人がいたかもしれないということもうすうす感じるようになってきていた。

大学生になり自分はまた彼女が出来た。今度は自分からアプローチをして出来た彼女、優しくてお互いを尊重出来てとてもいい子だった、私にはもったいないくらいのいい子。でも好きではなかった。最初は興味があったけどその興味もどんどん薄れていき、最終的には自分にはこんないい子はもったいないと思い、さよならをした。本当にクズだと思う。当時もわかっててやってしまっているから罪悪感はどんどん溜まっていく一方。でも見て見ぬふりをしていた。

そして全てが変わったいよいよあの事件が起こる。世界の見方と自分と世界の関わり方を完全に理解するあの時が。

一人で生きると決めた日

B君と付き合っていたAさんがいた。Aさんとのつながりは講義でたまたまぼっち同士で隣に座っていて、自分から軽い世間話を始めたら意気投合して仲良くなった。最初Aさんのこともなんとなく好きくらいの感覚だったが、一緒にいて本当に楽しかったし、もっと彼女のことを知りたくて仕方がなかったし、B君よりも自分の方が彼女を楽しく幸せに出来ると思っていた(B君と特に面識はない)。だから自分はAさんに積極的にアプローチをした。容姿に自信があるわけではないけど、人と人は結局相性。相性が良ければ必ず惹かれ合うものだし、恋愛はガンガン押せ押せでどうにかなるものだ(相性が良いのを大前提として。)

で、結果的にどうなったかと言えば、Aさんを泣かせてしまった。
『ふたりを好きになってしまった、どうすればいい』と。

生まれて初めて自分の嫌なところの点と点が一気に繋がっていくのを感じた。俺は一体何をやっているのだろうか。Aさんと楽しくいたくて、笑顔が見たかったのに、泣かせている。自分に悪気があったわけじゃない分、どうしたらいいのかがわからない。宙に浮いている気分、悲しいけど虚無感が強くて、生きるための指標が消えた感じ、いっそ自分のことを56してくれて構わないのに。てか自分が4ねばいいんだけどさ。

とりあえず、その場はあなたは悪くない、先にいた彼氏がいるのに自分がアプローチかけたのが悪いから、友達でいようと言い身を引いた。でもそれじゃAさんの好きの気持ちがB君と自分で半分ずつになっている、それは良くないと自分は思ったので周りの友人に『あいつ(自分)は裏があるからやめとけ、陰で人の悪口を言うタイプだぞ』などとAさんにこそっと言ってもらい、自分を嫌いになるようにしてもらった。そうして嫌いになってもらったところで、改めてAさんに直接謝って、LINEや連絡手段を全て絶った。

一生1人で生きていこうと心に強く誓った。今後、これまでの友人たちとの交流は一切断り、職場では仕事以外の話は特にせず、振られた話題の会話をなんとなくするだけとして、連絡先も『店長』や『責任者』以外とは基本交換せず、プライベートでも遊ばないことにした。この時の私は『周りの世界の調和が乱れることを重罪』として、人に迷惑をかけない、人に負担を掛けないというのを一番としていた。

これまでの友人たちをいきなりブロックしたら無駄に心配させてしまうので、誘いが来てもやんわりと断り続ける感じだ、どうせそのうち誘われなくなるのだから。職場に関しては誘われた飲み会には参加するといった程度である。歓迎会や忘年会を欠席することはなかった。人の厚意を無駄にしたり、普段仕事で関わる相手を無視するのはかえって迷惑であると思っていたからだ。人の誘いを断って相手が不快に思ってしまったら結果的に調和が乱れてしまう、それは避けるべきことだった。

25歳

25歳、小さな転機が訪れる。これまでの人生は割と波風立てずにやってこれていた。きっかけは自分が仕事でやらかしたこと。仕事での疲れが疲れに溜まったところで、直接的は人が傷つかない・迷惑がかからない悪事を働いた。結果的には自分の責任者に大迷惑がかかるのだが、そんなことは自分には判断出来なかった。悪事は計画なしの衝動性のみで行ったので、やった15分後くらいにはバレた。同い年の責任者Hさんに激怒されたが、自分はその仕事をやめることを決めていたのでヘラヘラしていた。別に自分でやったことだし、後悔はない。

ただその帰り際、私はその責任者Hさんに辞めると伝えているのに今回のことを上に報告して自身も懲罰を受けると言い出した。別にこっちはやめるんだから隠せばいいのに。でも責任者Hさんに迷惑がかかることが分かると自分のやっていることが急に悲しくなってきて、宙に浮いた気分がした。また人に迷惑を掛けているじゃないか。Hさんの言葉が終わり自分が帰ろうとしたとき、元の場所に戻ってHさんには心から謝った。疲れもあっただろうが、途中から泣き出してしまった。後先考えてなかったということ、悪気はなかったということ、どうすればいいのかわからないこと全部打ち明けた。

Hさんはそれを聞いてくれて延長戦が始まった。同学年の上司から叱られるという貴重な経験は最終的に『仕事は評価してんだから変なことすんなボケ』と〆られ、Hさんからは普段の私の振る舞いや素行や態度についても叱られたり褒められたりした。私は泣きながら人心掌握とはこうするんだなあと片隅で感心・尊敬していた。

初めて他者のようになりたいと思った瞬間だった。この人のようになれば自分も間違った道に進む人を正気に戻せる人間になれるんじゃないかと思うようになった。この時、私は人生で初めて論理的に他者に共感することの重要性を覚えた。この経験がなかったら私はこの後に経験することも特に何も感じなかったか、間違った経験にしてしまったと思う。

このHさんには一生ついていきたかったが、転職を決意することになる。それは会社の方針に私が納得いかなかったからという別の理由である。

27歳、Xさん

新しい会社の入社時には同い年で同期の異性社員Xさんがいた。真隣の部署の人間だったが、特に話すことはなかった。話しかけたことがあった気がしなくもないが、まあ別にこれから長い長い職場人生だし数年かけて仲良くなって良ければいいと思っていた。

入社してからの3ヵ月間は正直余裕のない日々だった。最初のうちの仕事内容は恐らくコンビニバイトよりも簡単である。というか仕事内容は『ほぼ何もない』。他の部署が動いたらこっちも仕事をするような部署だったので、内容を覚えてそれに対応できれば当面は問題がなかった。のだが、いずれ1人前になるときの仕事内容がコンビニバイトのそれどころではなかったし、仕事内容でミスるとかなり問題になるのでケアレスミスが多い私には割とプレッシャーだった。マニュアルがそもそもなく、仕事を覚えるついでにマニュアル作成しながら必死に覚えるという感じだった。周りには『楽な仕事だよ』と言っていたが。

でも3~4ヵ月もすると仕事にも慣れてくるもので、色々周りが見えてきていた。職場の人間関係だったり、それぞれの性格だったり(切羽詰まってない職場なので大体みんな温厚)。自分が受け持つ仕事がそもそも大した量ではないので仕事中にも様々な考え事をしながら仕事をしていた。趣味のことだったり、今後の人生のことだったり、色々考え事しながら仕事するのも多くなっていた。

業務にも慣れてきたこの頃、ある時ふと思いついた(これが非常に良くなかった、結果的にはよかったのだが。そしてこれが長い1ヶ月の始まりである。)

よく、夫婦が定年後に家に一緒にいると夫が不快だのウザイだの言われる原因って、元々ずっと家に一緒にいる環境を過ごしたことがないからだろうと。この法則に気が付いたとき同時に、じゃあ職場で結婚していれば、常日頃から同じ職場で近くにいることが当然なので定年後でも不快に思うことはないのだろうと。

で、想像してみた。まあ自分だったら相手は誰だ?同期のXさんか?うーん・・・まあ不快感はなさそうだな。こんな感じなのかな。

きっっっっしょい想像である。話したこともまともにないのに不快感もクソもあるわけがない。27年間も生きてきてまだそんなこともわからないのか、自分は。

でも、1回想像してしまった。ちょっと気になってきた。

そしてここが自分の部署の最もツライところなのだが、業務中に隣の部署の声がずーーーーっと聞こえてくるのだ。聞こえるときは本当にずっと。ちょっと気になった同期のXさんの声が業務中に嫌でも聞こえてくる。これ以上考えたくもないのに頭の中に強制的に入ってくる。

この先はもう止まらない。気になって気になって仕方がなくなってきた。業務中、隣の部署が目に入るとき、自然とXさんのことを目で追ってしまう、ああこれはもう本当にダメだ、と自分でもわかっていた。

どんな気持ちかというと、歌詞で言うならこんな感じだった。
米津玄師『アイネクライネ』の

あたしあなたに会えて本当に嬉しいのに
当たり前のようにそれらすべてが悲しいんだ

今後一生一人で生きていこうと決めたのに話しかけていいのか?やめておこうか?まあ長い人生だし今はいいか・・・。いや?

もし話しかけてXさんに迷惑を掛けたらまたあの頃の自分と同じじゃないかと思い、別にマッチングアプリをすることにした。一生一人で生きていくつもりではあるけど、もしかしたら同じような考え方の人がいるかもしれない!そんな人がいたら2人で生きていけるじゃん!と。(ちなみにそんな人間はマッチングアプリにいないし、そもそもマチアプをやらない)

ちなみに自分の使ったマチアプが良くなかったのか、明らかにサクラみたいなやつが多すぎてすぐやめた。結果的にXさんが気になることに変化はなかった。

そんな悶々とした日々を送っているころに、我ら新人たちの自己紹介文が職場で発信された。試用期間の3ヶ月が終わり、晴れて正式な仲間になった我々の意気込みや趣味を書いた文章である。

当然みんなの文章が気になるし、中でもXさんの自己紹介文は特に気になった。ただ、それを見て瞬間的に理解した。『この人彼氏いるわ』と。明らかに余裕のある文章だった。自分で言うのもなんだけど私は色んな人を見てきたし、私自身そこそこレアなキャラだと思っているので人のことをかなり判別出来ると思う。で、出した結論なのに、それを認めたくない自分も同時にいた。

こういう明らかに負けそうな戦(いくさ)は、私の性格上、長期戦等は特にせずさっさと当たって砕けろの精神でいつも動いている。だって面倒くさいの嫌いだし、全部直球で行きたいから。自己紹介文が出て次の日くらい、帰り道でXさんに呼び掛けて将来のことをどう考えているのかとか、色々聞いてみた。実際同期の異性ってどう考えているのか結構気になるし。

で、『彼氏?いますよー?』

そらそうだ。余裕のある子に彼氏がいないわけがない。ついでに聞いてみた、その彼と結婚出来たらいいよね、と。そしたら『出来たらしたいです』って返ってきた。

はい、勝負ありです。これ以上行ったらあの時の二の舞です。私は心からの素直な気持ちとして『私はXさんのことを世界一可愛いと思ってます』とだけ伝えてフェードアウトすることにした。ただ結局する勇気もなくてXさんが先に電車を降りるまで一緒に話していたのだが。

・・・でもこれ今考えればだいぶ危険な言葉である。まあXさんが振り向くことはないという自信と彼氏がいると知った自棄込みの発言だったが、またあの時みたいなことになっていたら一生立ち直れなかったかもしれない。

ただ、次の日からは割とハレバレした気の持ちようだった。相手には彼氏がいるし、人生で初めて伝えた本当の心からの『可愛い』も言えたし、私は満足していた。

その調子でもう1回マチアプをやってみようと思って再開した。今度は大手のちゃんとしたマチアプ。色々やり取りして、意気投合した子とデートをしてみた。正直いい子だったし、楽しかったけど、何となく運命は感じなかった。運命を感じる相手がそもそも今までいたことがないから仕方ないんだけども。

可愛いと伝えてからのこと、最初はハレバレした気持ちだったけども数日経ってくると、それからはひたすらさらなる地獄だった。業務中に聞こえるXさんの声で本当に飛び降りたくなるからだ。心が割れそうな勢いだった。お腹は空くのに食欲は全くない。面倒だけどお腹は鳴るからずっとウイダーを飲んでいた。本当は飲みたくもないのにひたすら押し込んでいた。業務中、ふと涙がじわっとしてくる。ただただつらかった。

諦める材料が欲しくて、エレベーターでたまたま一緒になったXさんに性格診断をやってみて欲しいといった。合わないタイプなら一瞬で諦められると思ったから。でも上手く聞けなくてマジでキモかったと思う。ただただ死にたかった。相手の性格タイプなんて今更もう大体わかってるのに。諦めきれないみじめな自分が嫌い。

この時の心情を歌詞で言うなら
米津玄師『Lemon』の

自分が思うより恋をしていたあなたに
あれから思うように息ができない

でもそんな地獄のような気持ちも1週間ほど経ってくれば、ある程度この辛さを客観視出来るようになってきた。こんな気持ちになれるのもXさんのおかげ、こういう気持ちも知らないよりは知っていた方が人生的にはプラス、そう考えるようにはなっていた。だって実際一人じゃこんな経験は出来なかったからね。私には必要だったんです、きっかけが。

そうして、Xさんへの感謝を感じるたびにだんだんと自分の本来の性格をゆっくり思い出していた。

元々は自分は人と関わって、人からエネルギーをもらって生きてきたんじゃないか。

いつから自分から相手に働き掛けなくなったんだ?人に迷惑かけないようかけないように生きたって、かえって迷惑じゃん!

まずは何事も自分から!そうだろ?失敗したら心から謝ろう!

こうなってくると、世界に色が付き始めたようだった。毎日が楽しくて楽しくて仕方がなくなってきた。

大学卒業以来、身だしなみなんか最低限のみだったし職場には髪なんかセットしてなかったけど、また髪のセットをするようにもなった。オシャレに気を遣うようになった、肌に化粧水を塗るようになった、筋トレを始めた、運動をするようになった、酒の回数を減らした、趣味の時間をちゃんと取るようにした。

世界ってこんなに楽しかったっけ?って思い出せるようになってきた。大学時代、Aさんにどうすればよかったのかやっとわかった気がする。とにかく謝って謝って謝るしかなかったんだよ。別に無理に嫌われることはなかった、だってAさんに余計な負担をかけてしまったのは明らかなんだから。

あれもこれも全部Xさんがいたから思い出せたこと・分かったことなんだと思ったら、本当に感謝しか出てこなかった。

歌詞で言うなら、
Official髭男dism『I LOVE…』の

ひとりじゃ何一つ 気づけなかっただろう
こんなに鮮やかな色彩に

Xさんにはもう1回話して感謝を伝えたかった。ので帰り道に捕まえて話をしてもらった。

でもなんでだろう、感謝を伝えに来たのに上手く喋れない、『マチアプやったけど現実で頑張りたい』とか『Xさんの彼氏が羨ましい』とか何言ってんだろう自分。

ちなみにXさんからは会話の途中でキッパリと『そうですか、でも諦めて下さい』と言われた。そらそうよ、彼氏いるんだから。自分だって彼女いたら同じ返答するわ。

自分はこんなことが言いたくて喋ってるわけじゃないのに変な言葉がやたら出てきてしまうのはなんなんだ。会話のラリーが一つ終わるたび、自分が何となく黙ってしまう。ひょっとしてまだワンチャン狙っているのか、本当に自分が嫌だった。それか、どうせ叶わぬことなら当たって砕けろでさっさと蹴りを付けてしまおうと思っていたのだろうか、また人に迷惑かけてるよこの人。でもなぜだか、宙に浮いてる感覚はない、罪悪感のようなものも正直ない。それはそう、だってもう本来の自分に戻っているのだから。本来の私はこんなことで気には留めないのだ。

今の自分は自己嫌悪しているように見せかけて、気になる異性の前で上手に喋れないただのマヌケってことを分かってるから。本気で気になる人と喋ると自分ってこんな感じになるんだなあと初めて知った。TSUNAMIの歌詞をようやく理解した。別に見つめ合ってはないけど。

でも一応伝えられた。『Xさんには感謝してて、元々自分は人と関わって人からエネルギーをもらうってことを思い出して、昔に戻れた気がする』と。短い言葉なのに物凄い奥から出てきた言葉だった。

なんだか終わってみれば、彼氏持ちにただ告白まがいのことをして振られただけのバカにしか見えない状態である。元の自分に戻った結果、しょーもないプライドも帰ってきてしまったのだろうか。これは今後の人生の課題である。

何はともあれ、私の1ヵ月間に及ぶ心の戦争は終わった。

今までの5年間同様、Xさんがいなければ一生一人で生きていたことだろう。

とにかく今はオシャレして人生を楽しみたい。

たくさん泳いで、たくさん自転車に乗って、色んな新しいことをたくさんしたい。

ただ、まだやり残したことはある。

あの時はごめん、ありがとう。今後は良き同期でよろしく。と伝えたい。

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